変化させ、歪めながらまとめる、漢字の手書き文字字形。 TOP
6、偏と旁の文字例。 ( 記・短・級・ ) など   
          @
『 偏と旁の譲り合い 』
左図 @ のように偏と旁の文字はお互いに譲り合うよう書かれます。(言)の二画目はその中心に対 し左が長く右は短くなっており、旁の方の(己)はその中心に対 し左が短く右は長くなっています。これは文字の手足になる部分を長く伸ばして伸びやかな文字にする事と文字内の空間を等しくするためにこのような形になっています。
『 文字の歪め方 』 は各種あり色々な表情になりますが、
以下は 『 偏を歪めながら 』 『 旁で均衡をはかる 』 一方法になります。(言)部分は(点)の下に(各横画)と(口)がありますが、まっすぐに立っているというより 左図 A のようにやや左下方向に向かい(己)は反対に 終画を右へ長く出 してその均衡をはかっています。


A  B 
B は偏と旁の高さを表した図になります。
偏の画数が多く旁が少ないため、旁の背が低く横長でその上下に空間が出来るのが自然な姿になります。
字形の取り方で文字内の空間を同じ広さにする事と(己)の下部空間が広いのは相反する事のようですが、空間を等しくしながらもどこかに広い空間があると文字にゆったりとした余裕が出来るものと考えられます。また、(己)の下部が長いのは足元が長くスタイルのよい形になっています。

     C

(短)字も同様に偏をやや左下に向かわせ、旁を反対の右下へ方向づけ均衡を保ちます。偏(矢)部分は三画目の横画を左に張り出 し、旁の(豆)の終画を右に長くしています。
(豆)部分、厳密には上から順次右に寄せるか、左図の場合は(一)に対し(口)をやや右に位置し、その下の(点々)は揺り戻す意味で中心に置き、最後の(一)を中心に対 し右に長くなっています。
揺り戻すといいますと、偏の(矢)も同様です。( C 図 )
横画を左に長くしていますがその下の(左払い)は短くし横画よりも内におさめています。横画を左に出 し、(左払い)も長く左に出 しますと全体に左下方へ行き過ぎてしまい、偏の場合は左へ右へ寄せながらもやや左下方に向かいます。そして旁で全体をまとめ上げるのが理想と考えられます。
以下は歪めながら均衡をはかる同 じ字形の取り方の文字例になります。
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